デュエプレグランプリ 2024
決勝:小栗 vs. デデンネ
ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影:後長 京介
撮影:後長 京介
「初代グランプリ王者」が、今まさに決まろうとしている。
2019年12月の配信開始から4年半。スマートフォンアプリ「デュエル・マスターズ プレイス」初のオフライン大会となった今回の「デュエプレグランプリ 2024」。約500名もの参加者が予選7回戦で32名にまで絞られ、そこからのシングルエリミネーション・トーナメント4回戦を経て、勝ち残ったのはついに、たった2名のプレイヤーのみとなった。
その一方のプレイヤーであるデデンネについては、プレイヤー名に聞き覚えのある方も決して少なくないことだろう。折しもプレイスが開始する8ヶ月前、2019年4月に幕張メッセで開催されたTCG「デュエル・マスターズ」のDMGP8th 2日目で、「メタリカ・ミッツァイル」とともに超天篇の頂点まで駆け抜けたプレイヤーだ。その王者が5年の時を超えて、前人未到の「二冠」へと……紙だけに飽き足らずデジタルの世界での頂点にまでも、次元の壁をぶち破って到達しようとしているのである。
だが、紙の歴史で言えば「革命編」真っ只中であるプレイスの歴史においては、自身「最も好きなカード」と評する《BAKUOOON・ミッツァイル》はおろか、メタリカのメの字すらも当然まだ生まれてはいない。ゆえに今回の使用デッキは「光単天門」。ランクマッチで対面していて強そうだったから選択したとのことだが、またしても光文明ベースのデッキで大舞台の決勝の席に座っているというのは、何かしら運命めいたものを感じなくもない。
他方、対する小栗は決勝ラウンド32名中2名しかいなかった「水火UKパンク」使いのうちの1人。だが並の使い手ではなく、準々決勝では防人の「光単天門」、準決勝ではカイワレ大根の「5C M・A・S」と、環境トップの一角である「水火UKパンク」に対しても当然受けきれることを前提としたカウンター戦略のデッキたちを、必殺の《トンギヌスの槍》で貫通してきている。フィーチャーマッチなどでの対戦を見ても、そのプレイングの精度は舌を巻くレベルだ。
しかも「水火UKパンク」というデッキは、第20弾「レイジ・オブ・インフィニティ -神人類光臨-」で導入された「P'S ドロンゴー」のギミックを大きくフィーチャーしているわけだが、今大会が第25弾「轟炎革命-LEGEND EVOLUTION-」環境の末期に開催されていることを考えると、数週間後には26弾「天魔命導 -MIRACLE REVOLUTION-」の発売により20弾がNew Divisionからローテーション落ちするため、《超合金 ロビー》や《秘拳カツドン破》といったキーパーツをまもなく失うさだめにある。
浮き沈みはあれど、第21弾「ジ・オーバー・ロワイヤル -無法神聖紀-」での《神聖牙 UK パンク》の実装以降長らく環境に存在し続けたコンセプトが、25弾で《キリモミ・ヤマアラシ》というラストピースを得たことで最後の花火を打ち上げようとしているのだ。小栗としても、相棒に有終の美を飾らせたいという気持ちは大いにあることだろう。
さて、時刻は18時30分ごろ。ほんの数時間前まで多くの参加者たちでひしめいていた会場は、今やプレイヤー2人のほかはジャッジをはじめとする運営スタッフを残すのみとなっている。
物寂しい雰囲気は、激しく熱かりしトーナメントの最終戦にはいささか似つかわしくないと思われるかもしれない……だが心配する必要はない。会場となっているベルサール秋葉原の、決勝戦を行っている2Fスペースのすぐ真下。交差点からもサイドイベントの活気模様が丸見えとなっていた壁のないイベントスペースの奥では、YouTubeの公式生放送でお馴染みの面々が、フィーチャーマッチの模様をパブリックビューイングで実況してくれているからだ。
そしてその声は、今この瞬間だけ対戦者の2人に届けられる。対戦の開始を告げるために。
惜しくも敗退したプレイヤー。サイドイベントのガンスリンガーに参加したプレイヤー。物販を買いにきた人たち。そして生放送をオンラインで見ている全国の視聴者たち……その誰もが、この一戦を今か今かと見守っている。
現地で。家で。路上で。あるいは電車の中で。「様々なデュエマの遊び方(Play)が楽しめる場所(Place)」となるように祈りが込められた「PLAY'S」という言葉は、4年半の時を経て、今この瞬間にこそ実現したのだ。
そう、だから。これから始まるのは、確実に歴史に刻まれるであろう一戦だ。
優勝賞金50万円、GRAND MASTER決定戦2024への出場権。そして何より「初代グランプリ王者」の称号をかけて。実況の面々とパブリックビューイングの観客たち、そしてきっと全国の視聴者たちの心の中の声も合わせた「デュエマ・スタート」の掛け声とともに。
最後の戦い……決勝戦が、ついに始まった。
Game 1
青の流星が煌いて、先攻を取ったのは小栗。決勝戦まで駆け上がった勢いそのままに、2ターン目《熱湯グレンニャー》、さらに3ターン目には《キリモミ・ヤマアラシ》からの《超合金 ロビー》という超ブン回りを見せる。だがデデンネの勢いも負けてはいない。手札交換をしつつの《超合金 ロビー》のブレイクがいきなり踏み抜いたのは《ヘブンズ・ゲート》!
とはいえターンがあまりに早すぎて《護英雄 シール・ド・レイユ》の「マナ武装5」をまだ達成していない。シールド送りの効果が発動しないため、デデンネもここは《聖龍の翼 コッコルア》を1体出すのみにとどまる。
小栗からすれば、そもそも踏みたくないとはいえ致命的なタイミングで踏み抜くよりは余程良い、という結果。否、そういうタイミングだからこそ小栗も気兼ねなくブレイクに行けたのだろう。小栗も間違いなく、「光単天門」というデッキを熟知している。
それでも後攻3ターン目、デデンネは熟考ののちに《真・龍覇 ヘブンズロージア》をチャージすると、《トロワ・チャージャー》で2体目の《聖龍の翼 コッコルア》を出しながらマナ加速し、デッキ内のクリーチャーを全体4軽減の状態まで持っていく。その代償として残る手札は2枚にまで落ち込む……だが、手札は相手が供給してくれる。
そのデデンネの目論見どおり、4ターン目を迎えた小栗はマナチャージから「P'S ドロン・ゴー」の圧を頼みにした《超合金 ロビー》の攻撃で、手札を充実させつつ2枚目のシールドをブレイク……今度はトリガーはない。
対するデデンネは返すターン、チャージなしから4軽減の《龍覇 セイントローズ》で《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》を展開。さらに《聖龍の翼 コッコルア》で《超合金 ロビー》を倒し、「P'S ドロンゴー」で出てきた《絶超合金 ロビンフッド》に《聖龍の翼 コッコルア》を戻されるも、エンド前の《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》効果で《不敗英雄 ヴァルハラ・グランデ》を降臨させ、《熱湯グレンニャー》《絶超合金 ロビンフッド》をフリーズする!
相手の攻撃を遅延しつつ、《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》の「龍解」も目指せるビッグプレイだ。
それでも返す小栗も即座に《武闘龍 カツドン》を召喚して《不敗英雄 ヴァルハラ・グランデ》に自爆攻撃し、《武闘将軍 カツキング》へと「P'S ドロンゴー」。すぐさま《龍覇 セイントローズ》をバトルで倒しつつ、さらに効果でデデンネの残り3枚のシールドのうち2枚をブレイク。ここでもトリガーはなく、《トンギヌスの槍》の射程圏まで追い詰める。
だがデデンネは冷静にマナチャージから《提督の精霊龍 ボンソワール》を5マナで召喚すると、《聖龍の翼 コッコルア》で《熱湯グレンニャー》を倒しつつ、ターン終了時に《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》の効果で《護英雄 シール・ド・レイユ》を送り出し、《絶超合金 ロビンフッド》《武闘将軍 カツキング》という2体の大型エグザイル・クリーチャーをまとめてシールド送りにする!
盤面をすべて処理された上に度重なる「ドロン・ゴー」で手札が薄い小栗は、《アクア・スーパーエメラル》を出すのみ。そして返すターン、ついにデデンネの《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》が《天命讃華 ネバーラスト》へと「龍解」を遂げる。さらに《ジャスティス・プラン》でたどり着いたのは《聖霊王アルファリオン》!
そして返すターンもマナチャージから《神豚槍 ブリティッシュROCK》を出したのみでターンを返した小栗に対し、満を持して7マナ目をチャージして《不敗英雄 ヴァルハラ・グランデ》の「マナ武装」を達成させたデデンネは、なおも《真・龍覇 ヘブンズロージア》を召喚して《不滅槍 パーフェクト》を装備させると、その上に《聖霊王アルファリオン》を進化させる!
《秘拳カツドン破》は唱えられない。《終末の時計 ザ・クロック》でターンが飛んだとしても、返すターンに5マナ重くなった状態でクリーチャーが出せるはずもない。《聖霊王アルファリオン》は《不滅槍 パーフェクト》で離れない。それ以前に、そもそも《不敗英雄 ヴァルハラ・グランデ》をどかす手段がない。
気づけば完成していた返し札をすべて封殺した完璧な包囲網を前に、デデンネのブロッカー軍団のシールドブレイクとダイレクトアタックを止める術は、小栗にはもはや残されていないのだった。
小栗 0-1 デデンネ
マナチャージするかしないか。するとして、何をマナチャージするか。攻撃するかしないか。するとして、どの順番でどこを攻撃するか。
互いに無数の選択、無数の岐路があった。だが小栗もデデンネも、ほとんど時間をかけずにそれぞれのプレイを選択していた。まるで「このシチュエーションは既に経験済みだ」と言わんばかりに。
否、実際に経験しているのだろう。両者ともに調整グループに所属したりはせず、ひたすらにランクマッチで己と向き合い続けたという共通点がある。そしてその結果、小栗が対面として最も意識したのが「光単天門」で、デデンネが最も意識したのも「水火UKパンク」だというのだ。
そんな2人だからこそ、互いに導かれるようにしてこの決勝戦という舞台にたどり着いたのかもしれない。小栗もデデンネも、それぞれのデッキにおいて極まりきった練度の領域にいることは間違いない。だとすれば、勝敗を分けるものとは何になるのか……それを考える間もなく、2ゲーム目が始まる。
Game 2
再び小栗の先攻で、3ターン目《熱湯グレンニャー》が初動となる。一方のデデンネは初手が芳しくなく、《トロワ・チャージャー》も《聖龍の翼 コッコルア》もなしで3ターン目もマナチャージのみでターンを返す。すると返すターン、《超合金 ロビー》を送り出した小栗は果敢に《熱湯グレンニャー》でブレイク。トリガーはない。
対し、後攻4ターン目を迎えたデデンネはなおも加速札が引けず、《ジャスティス・プラン》が初動となる。それでもここで手札の充実が図れればあるいは……というところだったが、結果はなんと《トロワ・チャージャー》3枚に《ドラゴンズ・サイン》で0ヒット。思わず「……ひぃー」と漏らしながら苦笑するしかないデデンネ。
これを見て小栗はチャンスとばかりに《熱湯グレンニャー》召喚から《超合金 ロビー》で攻撃。踏み抜いたのは《ドラゴンズ・サイン》……だが唯一出せる《護英雄 シール・ド・レイユ》はまだ「マナ武装」を達成していないため、デデンネはこれを唱えられない。
やむなく返すターン、引くのが遅きに失した《聖龍の翼 コッコルア》を5マナ目に埋めつつ、今度こそ手打ちの《ドラゴンズ・サイン》からの《護英雄 シール・ド・レイユ》で《超合金 ロビー》《熱湯グレンニャー》をシールド送りにする。
だがここで小栗は勝負にうって出る。ノーチャージ、《キリモミ・ヤマアラシ》から《神豚 ブータンPOP》召喚!
必殺の槍が、小栗の間合い。《熱湯グレンニャー》からの攻撃が《護英雄 シール・ド・レイユ》にブロックされたところで、続けて《神豚 ブータンPOP》の攻撃から「アタック・チャンス」《トンギヌスの槍》2本刺し!
これによりデデンネのシールド2枚をノーリスクで山札の下に送ると、そのまま最後のシールドもブレイク……通る!
さらに返すターン、チャージしてもまだ6マナ目で《ヘブンズ・ゲート》もなく動けないデデンネが《ジャスティス・プラン》を唱えることしかできなかったのに対し、スピードアタッカーの《武闘龍 カツドン》が《護英雄 シール・ド・レイユ》を乗り越えてダイレクトアタックを決めたのだった。
小栗 1-1 デデンネ
傍目にもわかりやすいほどの盛大な事故りっぷりに、顔を上げて目を見合わせた小栗とデデンネは、どちらからともなく苦笑しあった。
このわずか15分足らずの言葉を介さないやりとりを通じてだけでも、互いの練度をリスペクトできる十分な文脈を拾い合えたのだろう。どちらが勝ってもおかしくはない。だが、だからこそ。
勝ちたい。この最高の戦いで、すべてを出しきった上で頂点に立ちたい。その思いもまた共通だ。そのために。
泣いても笑っても最後の戦い。最終ゲームが開始する。
Game 3
はじめてデデンネの先攻。2ターン目には《聖龍の翼 コッコルア》を埋め、今度は初動事故がないことは明らか。対する小栗はこの後攻という正念場で2ターン目のアクションがない。そしてそれを見たデデンネの3ターン目のアクションは《トロワ・チャージャー》からの《聖龍の翼 コッコルア》!1ゲーム目のお返しと言わんばかりの最高のブン回りに思わずのけぞる小栗。それでも小栗は後攻3ターン目にはしっかりと《超合金 ロビー》を召喚して追いすがる。返すデデンネは早くも《提督の精霊龍 ボンソワール》を召喚し、《聖霊龍王 バラディオス》2枚を回収。一方小栗は《神豚 ブータンPOP》を召喚して《超合金 ロビー》で攻撃。これがスルーされ、シールドブレイク……トリガーはない。
見えている《聖霊龍王 バラディオス》だけならば、フリーズされるだけで「P'S ドロン・ゴー」のリスクもある殴り返しはされないはず。ゆえにこの2面展開は、先々に向けた楔になる……そのはずだった。だが。
5ターン目を迎えたデデンネは、満を持して《護英雄 シール・ド・レイユ》で「エグザイル・クリーチャー」2体を一気に楯送り!これには小栗も厳しそうに首を傾げる。それでも《熱湯グレンニャー》《超合金 ロビー》と再展開。簡単には、終わらせない。
だがデデンネはこのタイミングで引き込んだ最高の相棒、《真・龍覇 ヘブンズロージア》で《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》を立て、あまつさえエンド前に《提督の精霊龍 ボンソワール》を戦線に追加する。
ブロッカー4面。シールド4枚。手札4枚。予告された「龍解」。さすがの「水火UKパンク」も、この盤面を返す方法は存在しないように思われた。
それでも。
それでも小栗は6マナ目をチャージすると、手札3枚の状態からノーアクションで《熱湯グレンニャー》で攻撃する。ブロック。《超合金 ロビー》も攻撃する。ブロック。「P'S ドロン・ゴー」は……ない!
ついに小栗の盤面は更地となった。そしてターンが返り、デデンネの《天命讃華 ネバーラスト》が「龍解」する。《ジャスティス・プラン》からの《音感の精霊龍 エメラルーダ》までも駆使するが、《聖霊王アルファリオン》にはたどり着けなかった。ならば。
デデンネは考える。考えた末に、《護英雄 シール・ド・レイユ》で小栗のシールドをブレイクしにいく。勝負勘が囁いた。ここだ、今しかないと。残り3枚の《秘拳カツドン破》も、残り2枚の《終末の時計 ザ・クロック》もケアできていない。そんな状況で、それでも。
W・ブレイクが通る。次は《天命讃華 ネバーラスト》のT・ブレイク。小栗の残りシールドは5枚だが、うち2枚は《護英雄 シール・ド・レイユ》で埋まった「エグザイル・クリーチャー」2体であることは確定している。つまり、トリガーがあるとすればこの3枚のみ。
3本の光の柱が小栗の青い楯を粉々に打ち砕く。息を吸う小栗。見守るデデンネ。
小栗の指が画面に触れる。今にもカットインが挟まる。誰もがそう思った。
そして。
デデンネ「うお!……えっ?」
トリガーは、なかった。
中身が確定している黄色のシールドをブレイクされている間、小栗は悔しそうに顔を伏せ、それから天を仰いだ。
そのまま《真・龍覇 ヘブンズロージア》のダイレクトアタックが、デデンネの画面に「YOU WIN」の表示をもたらしたのだった。
小栗 1-2 デデンネ
Winner: デデンネ
デデンネ「よっし……!……よっしゃー!!!」
「光単天門」の側からのカウンター(ほぼ)ジャスキル。あまりにも劇的な幕切れに、極限の緊張から解放されたデデンネは喜びを露わにする。
だが気になることがあった。ラストターン、《秘拳カツドン破》でも《終末の時計 ザ・クロック》でもひっくり返りうる局面。それでもデデンネに攻撃を踏みきらせたものとは何だったのか。
デデンネ「《熱血龍 GENJI・XXX》出されたら絶対負けると思って……」
小栗のリストには、仮想敵の「光単天門」を倒すための《熱血龍 GENJI・XXX》がたった1枚だけ採用されていた。それは言わば、宿敵を貫くためだけの5本目の槍だった。
小栗「抱えてたんですよ」
デデンネ「前のターンがキナ臭かったから。6マナでノープレイで……」
小栗「上手かったです。ありがとうございました」
集合知で強力なデッキリストはコピーできても、局面局面の判断力は、経験によってしか絶対に培われない。
ランクマッチを走った日々があった。たった1枚のスロットを試行錯誤して結局元に戻しただけに終わった数時間があった。プレイミスで負けて自分自身に苛ついた1試合があった。それでもめげず、腐らず、真摯にデュエマというゲームに向き合い続けたことが、小栗の7マナ到達前に攻めるという極限のインスピレーションをもたらした。
それだけではない。驚くべきはプレイの速度と精度だ。放送席に呼ばれたデデンネは一日を通じてプレイに迷った瞬間が4~5回くらいしかなかったと答え、その要因として「大舞台慣れしてるんで……」と語った。
勝敗を分けたものは、きっとほんのわずかな差でしかなかった。だがその差は、もしかするとTCG「デュエル・マスターズ」のカードの厚み1枚分だったのかもしれない。紙での優勝から5年……すべての経験が、デデンネの糧となった。
そして、だからこそ。その果てに今日、新たな伝説が誕生した。今後誰もが到達できないであろう、紙とデジタルとのグランプリ二冠……天に飛び出した弾頭は光速を突破し、ついには「時空を超えた雷光」となったのだ。