『デュエプレグランプリ2026』開催直前メタゲーム予想


ライター:河野 真成(神結)


大アイドル時代、到来



 7月23日、『PRECIOUS IDOL FESTIVAL』がリリースされた。

ルピコ、ダピコ、カスミ、キリコ、そしてコットン。
アイドル同士が鎬を削る、大アイドル時代の幕開けである。

 そしてセンターのポジションを目指すのは、何もアイドルだけの話ではない。  来る9月13日、今度はプレイヤー自身がセンターポジションを目指すための戦いである、
『デュエプレグランプリ2026』が開幕する。
 アイドル同様、センターのポジションは1つしかない。
 果たして、センターに輝くプレイヤーは誰になるのか。

 優勝者を予想することは難しいので、今回の記事ではセンターを目指すアイドルたち……つまり、デッキについて紹介していければと思う。

『PRECIOUS IDOL FESTIVAL』リリース以降のメタゲーム



 まずは、『PRECIOUS IDOL FESTIVAL』がリリースされて以降のメタゲームの変遷について、ざっくりとおさらいしておきたい。

 リリース以降、センターのポジションを不動のものとしているのはDangerousでAttractiveなPerfect Idol……D.A.P.I.こと【火水闇ダピコ】である。


 《超神星HADES・ドラゲリオン》や《神滅竜騎ネルガルザーク》という大型ドラゴン・ゾンビによる制圧はもちろん、小型クリーチャーや《蒼神龍クォ・ヴァディス》による序盤・中盤の戦いは安定しており、さらに《海滅竜騎ゾルザーク》という飛び道具まで兼ね備え、攻・守・妨害・フィニッシュいずれも隙の少ないデッキとなっている。

 可愛いだけではダメ、安定したパフォーマンスを発揮してこそのアイドルなのだ。

 長いバイト経験による地道な下積みが確かな足回りを作り、そしてドラゴン・ゾンビのカッコよさとパフォーマンスで圧倒する……まさにダピコというアイドルを象徴したようなデッキとなっている。

 そんなわけで、リリース後のかなり早い段階から「【火水闇ダピコ】に対抗するのは誰か」といった様相となったわけだが、最初に対抗として名乗りを挙げたのは、平和を祈る信仰妹系だわだわアイドル、コットンだった……のだわ。


 コットンが所属する「せれす・しすたぁ」は令和の時勢らしい属性ワシワシ爆盛アイドルグループなわけだが、【光闇コットン】デッキ自体もまぁ、そんな感じである……のだわ。

 【光闇コットン】は、デッキとしては手札にカードを揃えるコンボデッキに該当する。

 用意はするのは以下の通り。
 まず、コットンをドレスアップする衣装(クロスギア)を用意。
 そこに神託の鍵となる≪神託アイドル! コットン≫、祈りの《ハンド・オブ・ウィッシュ》、そして信仰対象であるゼニス。

 これらを用意することによって、自ターン終了時に《「獅福」の頂 ライオネル・クローネ》を召喚するというのがこのデッキの全てである。

 《「獅福」の頂 ライオネル・クローネ》は実質的に自身でランダムにゼニスを召喚することができるので、そのまま《「誣」の頂 ウェディング・イノセンス》などに繋がってゲームエンド……なんてこともしばしば発生する。

 一見すると手札にカードを3種用意しなければいけないコンボであるため要求値が高いのだが、ゼニス自体は《「獅福」の頂 ライオネル・クローネ》か《「秘福」の極 ライオネル・グロリア》のどちらかを引いていればよく、≪神託アイドル! コットン≫や《ハンド・オブ・ウィッシュ》は《ロジック・スパーク》でサーチが可能であるため、意外と4〜5ターン目にすんなり決まることも多い。

 また仮に揃わなかったとしても、《創世と終焉のゼニスパーク》という受けトリガーが強力なため、一度相手の攻撃を受けてパーツを揃えるといったことも可能だ。

 コンボデッキの中には先にシールドを削られるとコンボを決めても返しのターンに詰め切られて負けてしまう……といった性質のものも少なくないのだが、コットンに至っては《「獅福」の頂 ライオネル・クローネ》がシールドを追加+トリガー化するという性質のため、前述のような負けパターンがなく、コンボデッキの弱点を自身のギミックで補っていると言える……のだわ。やはり可愛いだけじゃ、ダメなのだわ。

 ただしそうは言っても、流石にハンデスに対しては苦しく、その点では【水闇魔導具】が台頭する要因ともなった。


 【水闇魔導具】は、『PRECIOUS IDOL FESTIVAL』のリリース前から活躍していた魔導具デッキである。
 基本的には水の魔導具による手札交換、そして闇の魔導具による墓地肥やしと除去を並行しながらゲームを膠着させていき、≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫の着地と、無月の門の使用による《ティン★ビン》の着地・ハンデスを駆使してコントロールしていくというデッキだ。
 
 こうして相手の手札とマナを縛ったのちに、《卍堕呪 ゾグジグス》を掛けて封殺してから殴り倒すというのが、このデッキの勝ち方である。

 序盤から厳しく攻撃してくる【火単ブランド】のようなデッキには苦しいものの、《堕呪 カージグリ》+≪卍 ギ・ルーギリン 卍≫といった受けや、《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》+《卍堕呪 ゾグジグス》などもあり、一度ゲームを“掌握”してしまえば、早々負けることはない。

 一方、数を減らした【光闇コットン】ではあったが、《「獅福」の頂 ライオネル・クローネ》自体が非常に強力なカードであることから、別の形で活用するデッキも生まれた。

 それが【5色ヘブンズ・ゲート】である。


 そしてこのデッキは、トップアイドルのダピコに対抗するべく、他のアイドルたちが力を結集させたデッキでもある。  そのため、このデッキには様々なギミックが内蔵されている。

 デッキの大きな主張点となっているのは、《「獅福」の頂 ライオネル・クローネ》ではあるが、シールド追加条件が召喚であるので、単に《ヘブンズ・ゲート》で踏み倒すだけではカードとしての威力は心許ない。

 しかし、シールドをブレイクする能力には召喚条件がないため、これを生かして《トライガード・チャージャー》からゼニスを予め仕込んでおいたり、或いは《音感の精霊龍 エメラルーダ》と共に踏み倒すことによって、《「獅福」の頂 ライオネル・クローネ》を連鎖させてゼニスを踏み倒したり……といった動きを可能にしている。

 この動きへの対策として、《トライガード・チャージャー》で埋められたシールドを先に割っておくというものがあるが、そう簡単な話ではない。
このデッキでは仕込まれたカードが《「破壊の赤!スクラッパーレッド!」「知識の青!ブレインブルー!」「魅惑の緑!トラップグリーン!」「閃光の黄色!スパークイエロー!」「強欲の紫!ハンドパープル!」「ブレイクあるところに我らあり!シールド戦隊、トリガージャー!!」》である可能性も高い。


 特にマナを生み出さない《「破壊の赤!スクラッパーレッド!」「知識の青!ブレインブルー!」「魅惑の緑!トラップグリーン!」「閃光の黄色!スパークイエロー!」「強欲の紫!ハンドパープル!」「ブレイクあるところに我らあり!シールド戦隊、トリガージャー!!」》は手札にあっても厄介であることが多く、2枚目の《「破壊の赤!スクラッパーレッド!」「知識の青!ブレインブルー!」「魅惑の緑!トラップグリーン!」「閃光の黄色!スパークイエロー!」「強欲の紫!ハンドパープル!」「ブレイクあるところに我らあり!シールド戦隊、トリガージャー!!」》を引いてしまうと手札を失っているのに近いため、可能であれば《「破壊の赤!スクラッパーレッド!」「知識の青!ブレインブルー!」「魅惑の緑!トラップグリーン!」「閃光の黄色!スパークイエロー!」「強欲の紫!ハンドパープル!」「ブレイクあるところに我らあり!シールド戦隊、トリガージャー!!」》は【5色ヘブンズ・ゲート】視点でもシールドに逃がしておきたいカードなのだ。

 ちなみに《「破壊の赤!スクラッパーレッド!」「知識の青!ブレインブルー!」「魅惑の緑!トラップグリーン!」「閃光の黄色!スパークイエロー!」「強欲の紫!ハンドパープル!」「ブレイクあるところに我らあり!シールド戦隊、トリガージャー!!」》はかなり強力なトリガーカードであることは言うまでもなく、【火水闇ダピコ】の《神滅竜騎ネルガルザーク》や《超神星HADES・ドラゲリオン》をマナ送りで処理した上でドローして手札を回復させたり、或いはタップ効果で横の打点を止めたりと、様々な戦況に対応可能な1枚である。

 そろそろ書く側も疲れてきたのでこれくらいにするが、要するに《「破(以下略》等の裏目が大きいため、殴ることが難しい。

 そうなると、ハンデスというアプローチが考えられるが、ここに対してはルピコの力である《ボルシャック・サンナックル・NEX》を借りることで対抗している。
 
 更にはカスミの力……というよりも、もはやカスミ本人に近い《超開拓妖精アジサイ!》やチャージャーを駆使することでマナを伸ばしていき、デッキから引いてくる《「獅福」の頂 ライオネル・クローネ》を召喚する、というビッグマナ的なプランがあり、なんならこれが【5色ヘブンズ・ゲート】の基本戦術であると筆者は考えている。

 トップアイドルとは、手を伸ばしたその更に先にある存在だ。
 だからこそコットン(ライオネル)、カスミ、ルピコ、キリコ(ヘブンズ・ゲート)の力をそれぞれ合わせることで、これを目指すのである。
 
 その他、前環境の覇者である【火光“B-零朱”レイド】は受けを貫通しやすく《“轟轟轟”ブランド》によって速度も出すことも可能なデッキとして、一定数確認できる。


 またアイドルたちを上回る速度を主張することで無視できない影響力を持つのが【水自然スコーラー】であり(まぁ嵐を上回るアイドルがいないと考えれば妥当なポジションである)、更には《ポクチンちん》のアッパーによって受けデッキを倒し切りやすくなった【ジョラゴンジョーカーズ】(ジョラゴンとアイドルには深い関係性があるので、こちらも妥当である)などもメタゲーム上で確認されている。

 デュエプレは非常に環境の回りが早いゲームであり、もしかしたらこの記事を書いた後に大きな変化が起こるかもしれないが、暫定ではこれらのデッキが軸となって現在のランクマッチ環境が形成されていると言える。

センターに輝くのは誰?



 踏まえて、『デュエプレグランプリ2026』のメタゲームについて予想していきたい。

 大会規約に関しては、先に公開されているため参加予定のプレイヤーは一度目を通しておくと良いだろう。

 先にも少し触れたが、今大会には20分という制限時間があることは注意しておいて欲しい。制限時間内に決着が付かなかったゲームは、予選では両者敗北となってしまう。

 特にメタゲーム上には【5色ヘブンズ・ゲート】や【水闇魔導具】などの決着までに時間を使うデッキが一定割合で存在しており、更に《ポクチンちん》によって時間さえあれば《燃えるデット・ソード》を投げ続けて勝利を目指せる【ジョラゴンジョーカーズ】というデッキもある。
 基本的に、両者敗北になって得するプレイヤーは存在しない。
 日頃のランクマッチで試合時間を気にすることはないだろうから、可能であれば試合時間を意識した練習をしておくと良いだろう。

 踏まえて、こうした特殊なレギュレーションであることを鑑みた上でも【火水闇ダピコ】が頭一つ抜けた強さを持っているだろう。


 その強さ自体は、デンジャデオンカップ(New Division)での活躍を鑑みても証明済である。デッキの性質的にも、時間内に想定盤面まで持ち込むことが充分に可能であり、その点での不安も少ない。

 その気になればデッキの枠を多少弄ることも可能で、例えばビートダウン系のデッキが多いと判断すれば初動であり受けトリガーにもなる《ゲキカワアイドル! キューティー・ルピア/「キュートなだけじゃ、ないんだよ?」》の採用を増やす……なんてアプローチも可能だ。
 
 【火水闇ダピコ】に隙は少なく、恐らくは決勝ラウンド進出数をカウントしたときに、一番多いのはこのデッキになる筈だ。トップアイドルにもっとも近い存在と言える。

 では、ここに対抗するデッキになるのは、何かというと、一番の対抗馬はやはり【水闇魔導具】ではないだろうか。

 制限時間の話は先にしたものの、無月の門の処理などはある程度自分の努力で時短できるものであり、ゲーム自体も特殊な相手を除けば基本的には時間内に決着するデッキである。基本的にパターンさえ覚えておけばよい。


 その上で《卍堕呪 ゾグジグス》というカードが安定したフィニッシュを実現してくれるため、大型大会でありがちな「環境外デッキの全然知らないトリガーにやられた」みたいなケースは少ないだろう。

また、当日までにどこまで数を伸ばすかは不明だが、この記事を執筆時点では【ジョラゴンジョーカーズ】が徐々に勢力を拡張しているのを確認している。


もしかしたら当日は、かつてアイドルから薫陶を受けたことでお馴染みの《ジョット・ガン・ジョラゴン》が、【火水闇ダピコ】と並ぶ二大アイドルとなっている … かもしれない。

 個人的に注目しているのは、5色ではない方のゼニス……【光闇コットン】だ。


 グランプリの長期戦の中では、頼れる受けトリガーと切り返しを持っているデッキは勝ち残りやすいことは、TCGはもちろんのこと、これまでの『デュエプレグランプリ』でも証明済みである。
 そして仮にも制限時間を気にしてコントロールを避けるプレイヤーが一定数存在するのなら、その点でも戦いやすくなるだろう。
 当然、コンボが決まったときの爆発力は凄まじいものがあるため、「その日一番信仰心の強い人」が配信台を賑わせるかもしれない……のだわ。

おわりに



 以上が、『デュエプレグランプリ2026』の事前メタゲーム予想だ。

 昨年のグランプリでは、多くのプレイヤーが敗れてしまった後も会場に残り、決勝戦を見守っていた。

 気付けば巨大なスクリーンの前に椅子が追加で並べられていき、会場に残った誰もが決勝の行方を見守っていた。

 1枚のドロー、1枚のトリガー、そして1つの選択で会場が湧き、歓声が上がる。
 それは私がこれまでカードゲームで経験したことのない、感動的な光景だった。
   
 決勝に残れるのはわずかに2人だけだ。

 だからこそ、当日途中で敗れてしまったとしても、もし余裕があれば最後まで会場に残ってみて欲しい。

 勝者がセンターに立つその瞬間を目の当たりにしたとき、きっとデュエプレというゲームがもっと好きになっている筈だ。